■果実や葉類の日焼け
3月になれば日差しが急に強くなります。冬期間、低温で穏やかな光線で育ってきた作物は、急激な強い光線(紫外線)とハウス内の温度上昇によりぐったりしおれることがあります。ひどいときには葉が脱水し、そのまま回復しないこともあります。
4月になればハウス内の温度が上昇し30度40度にもなります。トマトやイチゴの果実は強い光線と高温で果実温度が上昇し、日焼け(やけど)を起こすことがあります。また葉類の作物は葉が硬化し、食味を落とす原因になります。
■果ハウス天井に散布
家庭菜園などに使う軽量の「背負い噴霧器」にピストル噴口を取り付けます。
噴霧器に紫外線をカットする水性塗料「健光液」を入れ、ハウスのビニール天井や側面に歩きながら散布します。液がたれない程度にうっすらと霧状に散布します。10分くらいで乳白色の液体が透明になり乾きます。光線の透過量は散布しないものと変わりません。
■紫外線をほどほどにカット
4月になれば紫外線量が急激に増加します。屋外紫外線量が3,000ナノメーターを超すことがあります。この強さは7月8月の紫外線と変わりません。このような日はハウス内の紫外線量も2,000ナノメーター近くになります。(ビニールも紫外線をカットします)このビニールに「健光液」を散布すれば1,000ナノメーターに半減します。「健光液」はビニールに付着し効果は何年も持続します。
「健光液」の散布は、紫外線カット率を調整することができます。たっぷり散布すれば70~80%カットできます。うっすらと霧状に散布すれば50%カットできます。50%カットでは作物栽培上の弊害はありません。盛夏期の紫外線量を50%カットしても、その紫外線量は冬期の紫外線量より多いからです。散布することによりハウス内の光がソフトになります。室温を2~3度下げる効果もあります。もちろん、作業する人の日焼け防止にもなります。作物栽培環境が快適になります。
■多用な作物に適用
5月~9月、光線の強い時期にハウスで栽培する作物の日焼け防止対策に好適と思われます。特にミニトマトのがく部付近の日焼け、イチゴの日焼け、キュウリなどに。紫蘇など葉類栽培の食味アップと量産アップにも効果が期待されます。
■紫外線カットによる防虫効果
私たち人間には紫外線は見えませんが、多くの虫たちは紫外線が明かりです。紫外線で方向を認知します。すなわち、紫外線をカットすれば虫の行動を抑止することができます。すでに紫外線カットフイルムが実用化され、フイルム展張により虫の行動を抑止する効果が実証されています。「健光液」散布もこの効果が期待できます。夏の育苗ハウスに散布すれば、防虫効果も期待されます。 |